2009年08月27日 (木) | 編集 |
思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)

思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)
「法令遵守」が日本を滅ぼす (新潮新書) 「特捜」崩壊 墜ちた最強捜査機関 コンプライアンス革命―コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機 日本の難点 (幻冬舎新書) たった1%の賃下げが99%を幸せにする
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郷原信郎。

最近テレビでも見かけますね。
コンプライアンス問題が起きると、マスメディアが騒ぎます。
不二家、伊藤ハム、村上ファンド、社保庁などの事件を、冷静に何があったのかを紹介。

どうもひとたび「隠蔽」という表現が使われると、「もう謝るしかない」みたいな空気が流れます。
“反論”しようものなら、反省の色なしとしてたたかれます。
本当は“説明”のはずであっても、一度世の中にできあがった理解と異なる話には聞く耳持たないような。
他にも「捏造」、「偽装」といった言葉も同じ道をたどることになりますね。

どうも他人の“悪事”に対して、異様に攻撃的すぎる気がします。
別に擁護せよというわけではないですが、こういう発言もたたかれるのでしょうか。
もはや魔女裁判のような。

一度振り上げた拳の下ろすところも見つけられず、徹底的に、完膚なきまでにたたくように思えます。
下ろせないなら、振り上げなければ良いのに。
不用意に振り上げるから、後処理に困るのでしょう。

「コンプライアンス重視の経営」といったスローガンもどうなのか。
法律・道徳・倫理といったものを守らなきゃいけないなんてことは誰でも分かっているんです。
でもなぜ不祥事が起きるのか。
内部統制ができていないのか。
内部統制ができていても、どうやったって“悪い人”は出てくるもので、確率論的に不可避的に生じるそういう人の起こす事件をどう見るのか。
マスメディア対策もコンプライアンス対応の一環となり、そこにヒト・モノ・カネを突っ込むこと自体、社会経済上の損失ではないのか。
コスト意識はどこまであるのか。
などなど色々思うところはあるものの、不勉強なことも多々あるので、言いっ放しでしかないのが歯痒いです。

さて、コンプライアンス、法令順守が重視される一方で、ふと思ったことが。
リーニエンシー制度っていうものがあります。
“司法取引”です。
簡単に言うと、独禁法違反を犯していても、自首(って語弊があるかもしれませんが)すると課徴金が減免されるという制度です。
が、何かあったら“袋叩き”にあう現状で、リーニエンシー制度の活用が見込まれるのかどうか。

最後にくだらないことを言います。
「シコウテイシシャカイ」を変換したら、「始皇帝試写会」って。
どうなってんだ、MyPC。
いや、見たいけど。
始皇帝、見たいけど。


紹介されてた本、メモ。

松本和紀『メディア・バイアス』

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る 踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓 誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで フードファディズム―メディアに惑わされない食生活 (シリーズCura) 「食べもの神話」の落とし穴―巷にはびこるフードファディズム (ブルーバックス)
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小島正美『誤解だらけの「危ない話」』

誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで

誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで
食品の迷信―「危険」「安全」情報に隠された真実とは メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書) 食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る 安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学 (ちくま新書) 踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓
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PAジョーンズ『アメリカ人弁護士が見た裁判員制度』

アメリカ人弁護士が見た裁判員制度 (平凡社新書)

アメリカ人弁護士が見た裁判員制度 (平凡社新書)
激論!「裁判員」問題 (朝日新書) 知る、考える裁判員制度 (岩波ブックレット) 手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) つぶせ!裁判員制度 (新潮新書) これ一冊で裁判員制度がわかる
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『思考停止社会』郷原信郎 - あれこれ随想記
#3167 郷原信郎著「思考停止社会」を読む - ニューロンとワイヤの狭間から
『思考停止社会』(郷原信郎) - @knori
郷原信郎:『思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本』(講談社):閑心空間
最近読んだ本から:思考停止社会 郷原信郎 「川へ行こう!」雑想ブログ 北海道の河川の技術士
「思考停止社会‐「遵守」に蝕まれる日本」郷原信郎 読書の記録

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コメント
この記事へのコメント
難しい問題ですねー。
特に不二家は、結局一部マスコミによる捏造だったわけで、ちゃんと補償しているのか気になります(結局、CM出稿量が少ないと叩かれるんじゃないの?見たいな気分になりますね)。

マスコミも、「儲け至上主義」、「組織ぐるみ」、「隠蔽」と言ったある意味使い心地のいい叩き言葉に安易に逃げないで、「組織内ではどこにでも起こりうること。どうしたらよりそれを防止できるか?」という観点から冷静に報じてもらいたいものです(マスコミにも不祥事は山ほどあるわけですし・・・)

「コンプライアンス経営」なるものは、そもそも経営者と現場との風通しがよくて経営者さえまともであれば、敢えて挙げなくてもよいはずのものじゃないかと思います。逆を言えば、それらを強調する企業というのは、痛い腹を探られたくないという思いがあるのでしょう。

後、内部統制関係でコンプライアンス宣言とか第三者委員会とか色々取り上げられますが、つまるところは1)定期的な配置転換でブラックボックスの業務や癒着関係を作らせない、2)ギャンブル・オンナ周りに金を浪費する傾向のある人間を金を扱う部署に置かない、3)実現不可能な崇高な事業計画や営業ノルマを課さない、4)経営陣がちょっと危ない事例の報告を受けたときに、管理担当者を頭ごなしに叱り飛ばさない(むしろよく報告してくれたと褒めてあげる) という、ある意味原始的な手法以外はあんまり効果がないのかなぁ・・・と思いますね。
2009/08/28(Fri) 06:35 | URL  | kanzume #CGSys/Bo[ 編集]
>kanzume
実務的なコメント感謝m(__)m
内部統制システム構築義務っつったって、最後は人の心の問題になってくるので、どうやったってどんなところにも何かしら事件は起こりうるものね。
その発現率を抑えようという努力義務であって、ゼロにする義務ではないという理解をしてないと、かなりハードルがあがっちゃうよね。
日本の役員は、リスクとリターンが見合ってない、と思ってます。
一方で、一部のお偉いさんは“上がり”と思っている人もいるので、そういうのは厳しく飛ばさないといけないけど。
曖昧なまま、“そこそこの給料だから、多少のことは目を瞑りつつ”走っているのが現状か。
ちょっと議論の方向がぶれましたが、このままレスしときまーす。
2009/08/29(Sat) 22:03 | URL  | 月 #NSzlzlSc[ 編集]
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