| トップページ > 20071025 | ||||
『偽装請負』
偽装請負―格差社会の労働現場
細かいところは省きますが、「偽装請負って何?」というところから。
会社と従業員の関係は、民法・労働法制にもとづく雇用関係です。
これは、雇用者たる会社が、従業員に対し指揮命令権を持ちます。
ある会社が、他社の従業員に対し指揮命令する権利はありません。
しかし、他社の従業員に対し指揮命令する権利を持てる場合があります。
派遣法にもとづく派遣社員の場合です。
派遣法にもとづく登録をした会社は、他社に人を派遣することができ、派遣を受け入れた会社はその人に対し指揮命令することができます。
これ以外の場合は、指揮命令することができません。
現行の法律では以上のとおりです。
一方、民法上の「請負」というものがあります。
これは、ある仕事の完成を目的とする契約形態であると定義されています。
たとえば、建築など、最終的な結果が見えているもの。
これに対し、医者・教師など最終的な結果が見えないものは、民法上の「委任」という契約形態に該当します。
さて、あるメーカーAが、部品会社Bに対して、部品の製造を依頼したとします。
これは請負に該当します。
Bは、Aからの依頼にもとづき、自社の従業員に対し指揮命令をするのです。
しかし、B従業員がAの指揮命令を受けている場合があります。
B従業員がAの指揮命令を受ける場合には、派遣法にもとづかなければならないはずなのに、です。
これが問題になっている偽装請負です。
実質的に派遣とすべきところを、請負であると装っているのです。
この問題を調べまとめたのが本書。
景気回復の裏側の実態を探る、という触れ込みですが。
実態が悪いのか、法が悪いのか、難しいところはあるように思います。